汎関数微分の計算問題
どの問題も、汎関数微分の定義汎関数微分の定義
このときの を汎関数微分という。汎関数微分は、 で定義された関数である。
を だけ変えたときの汎関数の変化
の1次の項と、2次以上の項に分けた。
(1) の汎関数微分
汎関数 の汎関数微分は、以下のように表せることを示せ。
解答
| 汎関数の変化 | |||
| を代入した。 | |||
| 展開の公式 を使った。 | |||
| の項は2次なので、 にまとめた。 |
汎関数微分の定義汎関数微分の定義
このときの を汎関数微分という。汎関数微分は、 で定義された関数である。 → 定義へ移動と見比べた。 |
以上で示せた。
この問題で使った定義・公式
- 汎関数微分の定義
- 展開の公式
(2) の汎関数微分
汎関数 の汎関数微分は、以下のように表せることを示せ。
ただし、
- は固定した時刻()
- はディラックのデルタ関数
解答
| 汎関数の変化 | |||
| を代入した。 | |||
| を打ち消した。 | |||
| ディラックのデルタ関数の性質 を使った。( とおいた) |
汎関数微分の定義汎関数微分の定義
このときの を汎関数微分という。汎関数微分は、 で定義された関数である。 → 定義へ移動と見比べた。 |
以上で示せた。
この問題で使った定義・公式
- 汎関数微分の定義
- ディラックのデルタ関数
余談
この問題は、多変数関数の偏微分偏微分の定義
このときの を偏微分という。偏微分は、 成分のベクトルである。
を だけ変えたときの関数の変化
の1次の項と、2次以上の項に分けた。
| 関数の変化 | |||
| を代入した。 | |||
| を打ち消した。 | |||
| クロネッカーのデルタ ( のとき 、それ以外は )を使った。 |
偏微分の定義偏微分の定義
このときの を偏微分という。偏微分は、 成分のベクトルである。 → 定義へ移動と見比べた。 |
ディラックのデルタ関数 が、クロネッカーのデルタ に対応しているわけです。
(3) の汎関数微分
端点を固定したとき、汎関数 の汎関数微分は、以下のように表せることを示せ。
は運動の項と同じ形をしている。
ただし、
- 端点を固定する(ディリクレ境界条件)
- 、
- つまり 、
解答
| 汎関数の変化 | |||
| を代入した。 | |||
| 展開の公式 を使った。 | |||
| 2次の項を にまとめた。 | |||
| 部分積分 を使った。(、 とおいた) | |||
| 第2項(表面項)は、ディリクレ境界条件 、 より 。ディリクレ境界条件は、この表面項を落とすために設定した。 |
汎関数微分の定義汎関数微分の定義
このときの を汎関数微分という。汎関数微分は、 で定義された関数である。 → 定義へ移動と見比べた。 |
以上で示せた。
負号(マイナス)は、部分積分から出てきたことが分かる。
この問題で使った定義・公式
- 汎関数微分の定義
- 展開の公式
- 部分積分
- ディリクレ境界条件
- 端点を固定する:、
余談
は反エルミートです。運動量など、物理量はすべてエルミートです。運動量の演算子 に を付けているのも、 が反エルミートだからです。
なぜそうなるかを短く書いておきます。端で になる関数どうしの内積を とすると、次のようになります。
| 内積 | |||
| 部分積分 を使った。 | |||
| 表面項は、 が端で なので 。 | |||
| 内積( は実数なので の中に入れてよい) |
つまり、 を内積の右から左へ移すと符号が変わります。これが反エルミート ということです。この問題の負号も、部分積分で を から へ移したときに出てきたものです。
エルミート()な演算子は固有値が実数になるので、測って得られる物理量はエルミートな演算子で表します。反エルミートな微分に をかけると、エルミートになります。
| 随伴の性質 を使った。 | |||
| 反エルミート を使った( を に読み替えた)。 | |||
| 係数をまとめた。 |
もとに戻ったので、 はエルミートです。